サントリーHDが熊本・阿蘇の森林整備拡大へ 県林業公社などと協定

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サントリーホールディングス(HD)は、熊本・阿蘇で進めている森林整備「サントリー天然水の森 阿蘇」の面積を拡大する。新たに、益城町と西原村で計116ヘクタールの森林を整備する。益城町、西原村、県林業公社と森林整備に関する協定を結んだ。

サントリーグループは、熊本県嘉島町に九州熊本工場を構え、阿蘇山系の豊富な地下水を使って、ビール類や清涼飲料水を生産している。ブランドミネラルウオーター「阿蘇の天然水」もここで作られている。同工場は敷地面積約40万平方メートルで、従業員約300人が働く。

サントリーは、地下水を育む森林を整備しようと、13都府県18カ所の計約8千ヘクタールで、植樹などに取り組んでいる。熊本・阿蘇の国有林でも「サントリー天然水の森 阿蘇」の名称で、平成15年から人工林の間伐や植生整備などを進めている。

今回、さらなる森林保全や生物多様性の維持を目指し、益城町と西原村の町有林など5カ所を森林整備に追加することを決めた。新たに加わる計116ヘクタールを含め、全体の面積は計388ヘクタールになる。

整備に当たっては、宮崎大農学部森林緑地環境科学科の伊藤哲教授の指導を受ける。益城町や西原村、県林業公社と共同で、針葉樹人工林の間伐・枝打ち▽作業道・歩道の開設▽間伐材の有効利用▽広葉樹林の整備-などの森林保全活動を展開する。

一方、熊本県は「企業・法人等との協働の森づくりに関する指針」を20年12月に策定し、森林整備へ企業などの参加を促している。サントリーも今回、県を立会人に益城町などと、森林整備に関する協定を結んだ。

協定調印式で、蒲島郁夫知事は「サントリーHDの『人と自然と響きあう』という企業理念の下、環境保全活動を積極的に推進していただきたい。県としても、森林の整備・保全を推進するとともに、積極的に支援したい」とあいさつ。サントリーHDの小嶋幸次専務は「天然水の森活動は大自然の恵みを未来永劫(えいごう)守り続ける基幹事業。素晴らしい森を守り、保全していくため、今後も地元の協力をお願いしたい」と述べた。

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